頭痛
あなたのその頭痛、我慢していませんか?
頭痛は様々な原因で起こってくる症状です。ここに挙げた頭痛以外にも様々な頭痛がありますし、どれにでも当てはまる方やどれにも当てはまらない方は診断が難しい場合もあります。しかし危険なタイプの頭痛であった場合は生命に関わる事態になることもありえます。頭痛で不安を感じた際は一度受診してみてください。

身近な頭痛(一次性頭痛)

緊急を要するわけではないものの治療を要する頭痛の代表的なものとしては以下のようなものがあります。

片頭痛

典型的な片頭痛では頭痛の前兆として目の前がキラキラ光ったり白いギザギザが見えてきて、その後に脈打つような強い頭痛が出てきます。数時間から半日程度で頭痛が完全に収まることが多いです。セロトニンやCGRPといった物質が関与して脳の動脈の収縮と拡張が生じて起こる頭痛と言われています。三叉神経という神経の働きも頭痛に関与しているとされています。

片頭痛の治療について

治療としてはトリプタン製剤という飲み薬がよく効きます。ただし頭痛の出始めに飲まないと効果が低いです。最近は血管の収縮を抑えるような片頭痛の予防薬(毎日飲むタイプの薬)、CGRPという物質の放出を直接抑える注射薬(月1回程の皮下注射で片頭痛発作を予防)なども使えるようになっています。

緊張型頭痛

一般的には頭が締めつけられるもしくは圧迫されるような痛みが頭の両側に起こることが多く、動けない程の強い頭痛ではないことが多いです。歩いたり動いたりしても頭痛が悪化することは少ないです。ストレスや疲労によって首や頭の筋肉が過剰に緊張したりコリ固まったりすることで血行が悪化し、様々な痛みの原因物質が増えて頭痛が起こると言われています。

緊張型頭痛の治療について

治療としてはロキソプロフェンなどに代表される消炎鎮痛薬、チザニジンという筋肉の緊張を和らげる薬が使われます。カフェインを併用することもあります。あまりに頭痛の頻度が多い方は、アミトリプチンという抗うつ薬を使用することもあります(うつ病の薬ですが、緊張型頭痛自体の予防薬として世界的に推奨されている治療法です)。

また、軽い運動やマッサージ等も強い科学的根拠があるわけではありませんが推奨されます。
当クリニックでは行っていませんが、筋電図という機械で筋肉の緊張を自覚させ自分でコントロールしてもらう筋電図バイオフィードバック療法、ストレスと頭痛の関係について自覚してもらう認知行動療法などもあります。

群発頭痛

発作的な左右どちらかの側の頭痛と同時に目の充血、鼻水もしくは鼻詰まり、顔面の発汗、目が開けられない、などの症状が生じる疾患です。かなりの強い頭痛が15分から数時間程度続き、仕事や日常生活に大きな支障が出ます。三叉神経や自律神経の活性化で生じると言われています。頻繁に頭痛が起こる時期とあまり発作がない時期を繰り返します。女性よりも男性に起こりやすいです(3~7倍)。発作の起こる時期には飲酒で頭痛の発作が誘発されます。

群発頭痛の治療について

治療としては酸素の吸入や、トリプタン製剤の皮下注射(患者さん自身で注射できるキットもあります)などが効果があるといわれています。

危険な頭痛(二次性頭痛)

頭痛は様々な原因で起こってくる症状です。危険な病気を疑う頭痛としては以下のようなものがあります。

危険な頭痛のサイン

1. 急激におこった頭痛(「ここ数ヶ月で急に頭痛が出てきた」、「今朝から急に痛くなった」)
2. どんどん悪くなってきている頭痛
3. 他の症状も一緒に出てきている頭痛(手足の麻痺、喋りにくさ、意識が朦朧とする、急激な血圧の上昇……etc.)
4. 幼児(5歳以下)、もしくは50歳以上の方の頭痛

考えられる疾患と治療について

頭痛を生じるような脳の危険な疾患といえば脳の出血(くも膜下出血、脳出血など)、動脈解離(動脈が裂ける病気)、水頭症(脳の中に水が溜まる病気)、脳炎や髄膜炎、脳腫瘍など様々なものが挙げられます。診察後に必要に応じて血液検査、MRIやCTなどを行い、治療の必要があれば脳外科のある高度な医療機関に紹介させていただきます。

脳以外の要因からくる頭痛

薬物乱用頭痛、高血圧、副鼻腔炎、中耳炎、三叉神経痛、帯状疱疹、変形性頚椎症、飲酒後の二日酔いなども頭痛の要因として考えられます。
頭痛の早期治療、病気の早期発見・予防に定期的なMRI検査をおすすめします。
※頭痛、めまいなど症状のある方は、保険を使用してのMRI検査が可能です。
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